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うるさいギャラリー

「READING」3週め。



サネマツさんの展覧会も今日から3週目。
今回の作品「READING」は詩人・デザイナーの尾中俊介の第一詩集「CUL-DE-SAC」をテーマにして、“読む”ということをもう1回考え直してみる(と同時にこの作品に触れる人に“見る”ということを考えてもらう)ということをしていると俺は思うのだが、そうなってくると当然俺としてはその詩集を読み直してみたくなってくる。で、読み直してみた。久しぶりに手に取ったその本は何故かもう懐かしい感触で、その懐かしさは俺をほっとさせてくれた。初めて読んだ時の感触はかなりハードコアできっつい感じだったのに今でもそれが無くしてはいけない感覚として俺の中にありそれが蘇ってきてほっとする。やはり面白い。また枕元に置いて寝る前に手に取る本として当分の間付き合ってもらおうと思う。

ちなみにサネマツさんは、「何度読んでもよく分からない本、だから何度も読んでみたくなる本」と言ってました。


前に「CUL-DE-SAC」が中原中也賞の最終選考に残った時の選評と、彼がやっている「Calamari Inc./カラマリ・インク」というデザイン事務所へのリンク、「CUL-DE-SAC」が買える「とんつーレコード」のリンクを載せておきます。


以下「とんつーレコード」よりコピペ。

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CUL-DE-SAC カルデサック
尾中俊介

発行日:2009年4月1日
仕様:B6変型・筒函・糸縢り・本文128頁・オフセット印刷・焼印・スタンプ
部数:300部
発行所:みぞめ書堂
定価2100円+税


書評
あえて恐るべき長篇詩集と呼んでおきたい。尾中俊介の『CUL-DE-SAC』のことだ。語りは妻がベランダに干している、雑多な洗濯物のことから始まっている。そして、最後までこうした日常的な光景から離れていないにもかかわらず、ここには何か、いまの壊れている世界のあらゆることが詰まっている、という錯覚に襲われる。それは鳩殺しのエピソード一つを取り上げても、鳩の視線と向き合う行為者の内と外の微細な叙述に、残酷な世界の一切が流れ込んでいるからだろう。具象と抽象の撚り合わさった見事な散文の文体。そこで物語の仮装は、内側から食い破られ、詩の文体に転換している。
北川透・詩人(ユリイカ2010年4月号「第15回中原中也賞 選評」)


最終的に残ることはなかったが、わたしは尾中俊介の『CUL-DE-SAC』の描く不思議な世界に最も魅せられたことを記しておきたい。「CUL-DE-SAC」というのは袋小路、行き止まりのこと。長篇詩のスタイルを取り、詩集にノンブルはない。装幀も本文の文字表記も凝っていて、大文字の頁と小文字の頁を組み合わせ、語ることの始まりに向けて語る。なんでもない「君」という作者の分身に向けて語る。小さな箱の中に極小の部屋や庭を作り、箱の上下左右から光を照射し、接眼レンズを通して箱の中を覗き込むと、同じ景色が朝の風景に、また夜の風景に変化する、「スコープ」オブジェのような世界だ。長篇を一気に読ませる。力のある作者だと思う。この作者の仕事は必ず開花するだろう。
佐々木幹郎・詩人(ユリイカ2010年4月号「第15回中原中也賞 選評」)


(前略)頁表示も章題もなく、散文詩というよりも前衛的な小説の断片集とも取れる。かつてフランスに発したアンチ・ロマン(反小説)という、従来の文学への異議申し立てを思わせる。そこには意識や事物の細かな描写があっても一貫性はない。/ 迷宮小説の影響も見える意欲的な「反詩集」の表題は、仏語で袋小路の意。若い著者がこの先どう抜けるか注目する。
樋口伸子・詩人(読売新聞2009年8月11日夕刊「時評−詩」)
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Calamari Inc./カラマリ・インク
とんつーレコード
by iaf_satokei | 2014-01-23 14:58 | Comments(0)