うるさいギャラリー

振り子と円盤

もう何回目か忘れたけど実はやってるIAF SHOP*恒例の「正式な展覧会が入ってない時でも面白いものが見れるシリーズ」、今回は2週間ほど展示が空いたので誰か何かやってくれんかなぁって思ってたら、何とart space tetra代表の坂口さんが名乗りを挙げてくれました!
音楽家である坂口さんが過去に作って演奏してきた自作楽器をIAF SHOP*に設置して、来場者にも自由に触ったり遊んだり演奏したりできるようにセッティングしています。
もちろん展示作品として見るだけでもいいんですが、どうせならいろいろ実験してみてほしいと思います。

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振り子と円盤 “坂口壱彦 理科の実験シリーズ作品,大回顧展”
期 間:2012年10月4日[木]-10月14日[日]
時 間:木~土曜日18:00-23:00 日曜日13:00-18:00
休廊日:月・火・水曜日休廊
料 金:入場無料
場 所:IAF SHOP*(福岡市中央区薬院3-7-19-2F)
問合せ:090-5475-5326(佐藤)
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さっそくモガタとセッションしたよ!

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以下、会場にも置いてある作品解説を全文載せます。

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振り子と円盤
 2005年の12月の art space tetra でのライブで初披露し、その後、振り子の長さや本数、円盤の模様などをアレンジしながら 4、5 回はライブで演奏したと思います。私の "理科の実験" シリーズの中で、作品としては最も完成度の高いものだと思っています。
 
 学研の "電子ブロック" という製品があります。これは、プラスチックのブロックの中に抵抗やコンデンサといった様々な電子部品が埋め込まれており、これらのブロックを組み合わせることでいろんな電子回路が作れる、という教育用玩具なのですが、この作例の中の一つに "音階円盤" というものがあります。実は、この音階円盤の音の出る仕組みを丸コピーしたのが、この装置です。
 円盤上に塗り分けられた白と黒の部分では、当然ながら光の反射の強弱、つまり "明暗" が生まれるわけですが、この明暗を光ファイバー・ケーブルを通して "フォト・トランジスタ" という電子部品に伝えます。フォト・トランジスタは光に反応し、光を多く受け取ると電流を多く流し、光が少ないと電流も少なくなるという性質があります。
 この電流の変化を増幅してスピーカーに繋げれば、光の明暗によって波形をコントロールする音発生装置となるわけです。

 これに、スティーブ・ライヒの "振り子の音楽" を組み合わせてみたのが、この "振り子と円盤" です。振り子のおもりの部分には、LED ライトと光ファイバー・ケーブルの先端が取り付けられています。暗所で小さなライトをおもりにした振り子を揺らすことで、見た目にも楽しいものになったと思います。

 一定の周期性を保ちながらも、徐々に音の高さや長さを変化させていく様を楽しんでいただければと思います。

Flicker Lamp Music
 2006年10月が初披露。その後、ほとんど構成は変えることなく、2、3回、ライブで使用したと思います。
 "振り子と円盤" で制作した "光 - 音変換装置" の元となる光の部分で何か他に良い素材はないか、と探していたときに見つけたのが、クリスマスなどの装飾用としてよく使われる、ろうそくの炎を模したこのフリッカー・ランプです。
 電球の中で半固定のフィラメントが明滅しながら素早く揺れており、この光を拾えば面白い音になるのではないか、と考えたのです。結果、非常に面白い音が得られました。
 同時に、このフリッカー・ランプはフィラメントが揺れることで、実際に物理的振動による小さな音が発生しています。アコースティック・ギターなどでよく使われる振動体密着型のコンタクト・マイクをランプに取り付ければ、ランプ自体の振動を拾って音にすることが出来ます。
 さらに、このフィラメントの揺れはランプに取り付けられている磁石によって作られているようです。ならば、ちょうどエレキギターの弦の振動と同じように、ここでは磁界の揺れが起こっているはずです。ここにエレキギターのピックアップを近づければ、磁界の揺れを拾って、エレキギターの音の出る仕組みと全く同じ仕組みで音が鳴るはずです。

 この作品の "みそ" は、1個のフリッカー・ランプという、たった1つの素材から、物理的振動と、磁界の揺れと、光の明滅という3つの方法で同時に音が取り出せます、というところにあります。その意味では、とてもコンセプチュアルな作品である、と言えなくもないかもしれません。

 ただ、私個人としては単純にこの音が気に入っている、という面が強いです。

ShakaNehan
 自作ノイズ楽器による演奏を続けて来て、しかし、どうしても通常通り音階を演奏したい、という思いが強くなって来ました。ノイズも出したいし、メロディーも演奏したい。その2つを1つの楽器で同時に実現できないか、と考えて作ったのがこの楽器です。改造ギターと言っていいでしょう。名前は "ShakaNehan(釈迦涅槃)" と名付けました。

 具体的には、ノイズの部分はギターの弦にクリップやバネなどの挟み物を入れて、いわゆる "プリペアド・ギター" にして、メロディーはボトル・ネック奏法で出せばよいと考えました。問題は、ノイズ部分で手で弾かなくても、弦を持続的に振動させ続ける必要があるということでした。キース・ロウなどは、卓上扇風機を改造したような装置を使っていますが、私はこれを "e-bow" で実現しようと考えました。
 e-bow という、指で弦を弾かなくても、弦に近づけるだけでギターの音を鳴らすことが出来る製品があります。e-bow はまず弦の振動(磁界の揺れ)をピックアップで拾い、その電流を増幅して電磁石へ送り、電磁石が弦を振動させ、その振動をピックアップが拾い、というループするフィードバックで弦を振動させ続けます。この e-bow とおそらく同じ仕組みと思われる機械を自作しました。
 ただ、本物の e-bow はちゃんと実音が鳴るのですが、私の e-bow もどきは、何故かハーモニクス音しか鳴りません。どうやったら実音を出せるのか未だに分からないままです。

 2007年1月が初披露。そのときはギター2台分を組み合わせた12弦構成でした。その後、改良を重ね、2009年2月に今のかたちに落ち着きました。

テルミンとやじろべえ
 学研の『大人の科学』vol. 17(2007年9月)という雑誌の付録の "テルミン mini" に "やじろべえ" をくっつけてみた、というジョーク作品。私の作った楽器はどれも冗談的要素がありますが、これは完全にジョークです。
 やじろべえの先端に銅箔が貼り付けてあり、この銅箔に反応してテルミンが音を出します。シリアスな弱音ノイズ演奏をしながら、脇でこの "テルミン&やじろべえ" を動かしておけば、必ず笑いがとれるという一品です。
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by iaf_satokei | 2012-10-05 00:51 | Comments(0)